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消火器の廃棄やリサイクルは弊社へご相談下さい

古い消火器は破裂の危険があります

 消火器は高圧のガス圧に耐えるように製造された圧力容器ですが、腐食等で容器が傷つくと大変危険です。消火器の底が破れてロケットのように飛び上がり、胸や顔を強打して死亡する事故は後を絶ちません。湿った厨房の土間や工場の床などに直に置いてある消火器には特に注意が必要です。消火器の底が錆びて破裂の原因になります。

 社団法人日本消火器工業会の調査及び関係消防本部の報告(消防予第394号別紙)によれば、過去10年間(平成11年から平成21年)に老朽化した消火器による人身事故は10件発生しており、2名が死亡し8名が負傷しました。

 以下の新聞記事の事故で亡くなった方は消火器を戸外に置いていたらしく、消火器の底部が相当腐食していたようです。

古くなってさび付いた鉄製の粉末消火器を捨てるため、中の粉末を噴出させようとしたらしい。消火器は一九七九年製だった。安全ピンを抜き、レバーを押し下げたことで噴出用の炭酸ガスが消火器内に充満したが、腐食していた消火器の底がガス圧に耐え切れずに破裂。一気に噴出したガスの圧力で飛び上がった消火器が顔面を直撃したとみられる。
(2001年3月5日中日新聞)

 次の新聞記事の消火器は、駐車場管理人の男性が20年前に経営していた石油販売店に設置してあったもの(1989年製20型)で、それを駐車場の隅に置いたまま放置してあったそうです。

 15日午後4時55分ごろ、大阪市東成区中本の駐車場でドカンという音がし、子供が倒れていると110番があった。大阪府警東成署員が駆け付けたところ、近くに住む自営業翁長良光さん(48)の長男で同市立中本小4年宥之介君(10)が右側頭部から血を流して倒れており、病院に運ばれたが意識不明の重体。近くで破裂した古い消火器(高さ約50センチ、直径約17センチ)が見つかり、同署は何らかの原因で破裂し破片が頭に当たったとみて調べている。
 同署によると、現場は月決めの屋外駐車場で、古い消火器が4本置いてあった。目撃者の話では、宥之介君が消火器のピンに触ったところ、飛び上がるように破裂したという。
 消火器は底面部分と胴体部分が分離した状態で、胴体部分は置いてあった場所から約10メートル離れた場所に落ちていた。断裂面はさびなどで腐食していた。
 事故当時、同級生の男児(10)もそばにいたが、けがはなかった。消火器は駐車場を管理する50代の男性が不要になったために1990年ごろから放置していたという。
(2009年9月15日時事通信社)

 この記事では「ピンに触った」とありますが、別の報道によれば子供たちは消火器で遊んでいたとのことなので、恐らく放射レバーを握ったのでないかと思われます。幸いこの男児は一命を取り留めました。

 また、この翌日に福岡でも67歳の男性が消火器の破裂で負傷しています。この男性は前日の大阪の事故を報道で知って、納屋の軒下に置いていた消火器の廃棄を思い立ち、薬剤を抜こうとレバーを握ったところ底部が破裂したそうです。男性は下あごに軽傷を負いました。

消火器には大きなガス圧がかかります

 現在販売されている消火器の多くは、加圧式と呼ばれる方式を採用しています。これは、消火器内部の加圧用ガスボンベからガスを噴出させて、粉末状の消火薬剤をノズルから押し出して放射します。 この際、消火器内部の圧力は非常に高くなるため、消火器本体の容器が錆びたり傷ついたりしていると、その部分から破裂してしまいます。

消火器断面図

消火器は定期点検が必要です

 上記のような事故を無くし、いざというときに消火能力を100%発揮させるには、専門技術者による定期点検が必要です。法定点検を義務づけられている建築物の場合は6ヶ月に一度、それ以外の場合(個人住宅等)は最低5年に一度の点検が必要です。

消火器の耐用年数は8年です

 大切に点検整備された消火器でも、8年を目安にお取り替え下さい。 耐用年数を過ぎると性能や機能が低下することがあります。危険ですから消防訓練等にも使用しないで下さい。また、消火用粉末が湿気等で固まってしまうと、加圧しても放射できなくなります。消火用粉末は劣化しにくい薬剤ですが、5年を目安に詰め替えることをお勧めします。

消火器の廃棄は専門技術者にお任せ下さい

 消火器を廃棄する場合は、危険ですからご自身で分解・放射したりせず弊社へご相談下さい。 なお、分解・廃棄の処理には費用がかかります。廃棄費用は税込1550円/本です(弊社までお持ち込み下さい)。大量の廃棄については別途ご相談下さい。弊社による回収が必要な場合は運搬費用等のお見積りを致します。

新しい消火器への買い換えもご検討下さい

 弊社店頭にてABC粉末10型消火器(一般の事業所や家庭に広く普及しているタイプです)を税込6300円/本にて販売しております。

 廃棄消火器を弊社へお持ち込みになり、同時に買い換えの新品をご購入頂いたお客様には廃棄費用をサービス致します。この機会に買い換えをご検討下さい。大量の廃棄・買い換えにつきましては別途ご相談下さい。回収運搬・廃棄費用等もお見積り致します。

廃棄した消火器はリサイクルされます

 地球環境への負荷を出来るだけ少なくするため、廃棄消火器はメーカーへ送り返され分解・再生されます。粉末薬剤は異物除去等の処理を施して新たな薬剤の原料に、その他の金属も回収され再利用されます。

消火器リサイクル推進センター

 2010年から日本消火器工業会と消火器メーカーにより消火器リサイクルシステムの運用が始まりました。弊社はリサイクル取扱い窓口(特定窓口)です。リサイクルシステムの詳細については消火器リサイクル推進センターのホームページをご参照下さい。